【アリス】 「何だか、顔色が悪いぞ?」

【ルカ】 「君には関係ないよ」

【アリス】 「そんな言い方はないだろ。心配してるのに」

【ルカ】 「して貰う義理もないけど」

【アリス】 「義理とか関係ないだろー」

【ルカ】 「……はぁ。頭が痛いの。昨日、ファウストの部屋から変な呪文みたいな声が聞こえて」

【アリス】 「変な呪文? 何て言ってたんだ?」

【ルカ】 「聞き取れなかった。それに、声って言うか……壊れたヴァイオリンで無理矢理に演奏しているような?」

【アリス】 「何それ、気味悪いなぁ。何時頃の話だ? 昨日は、俺もファウストの所にいたんだぜ?」

【ルカ】 「そう言えば……。二人で何してたの?」

【アリス】 「菓子食ったり、ファウストが教えてくれた歌を歌ってみたり……」

【ルカ】 「――――」

【アリス】 「その後すぐに、ファウストが気分が悪くなったって言うから、俺は帰ったんだけど」

【ルカ】 「……歌」

【アリス】 「その呪文って、何か悪い呪いとかじゃないのか? ちゃんと調べた方がいいぞ」

【ルカ】 「…………」

【アリス】 「頭痛も、ファウストの具合が悪くなったのも、もしかしたら……って。な、何だよ。何、見てんだよ」

【ルカ】 「……壊れたヴァイオリン」

【アリス】 「はぁ?」