【黒耀】
「随分と愛らしい姫君だ。
そんな目で、見ないでおくれ。……苛めたくなるだろう?」
【レイラ】
「汚らわしい。
この地から、早々に立ち去りなさい、ヴァンパイア」
【黒耀】
「ふふ。嫌われたものだな。
……だが、悪くない」
【レイラ】
「なんですって?」
【黒耀】
「お前の目には憎しみと恐怖が映っている。
私が怖いのだろう? けれど、こうして噛み付いてくる」
【レイラ】
「……っ」
【黒耀】
「気の強い女は、嫌いではない。
だが、短気なのはいただけんな。もう少し、心に余裕を持った方がいいぞ」
【レイラ】
「余計なお世話よ!
貴女なんて、大嫌い……!」
【黒耀】
「怒った顔も、可愛いな」
【レイラ】
「く……っ」
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